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パニック障害になった家族を間近で見た体験談①診断前編

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家族が急に発症したら、どう接していけばいいのでしょう。

妹が突然、パニック障害になりました。

まさか家族がなるなんてと思うでしょう。これは何の知識もない状態で、突然ふりかかってくるものです。

周りの気持ちや行った対応などの体験をお話します。

 

・きっかけは熱中症

妹が倒れたのは、暑い時期でした。面倒だからと一度に買い物を済ませるため、真夏に自転車でスーパーをはしごしていたようです。当時妹は妊娠していました。時々動悸はあったようですが妊娠しているからだと気にしていなかった様子でした。

2件目のスーパーへ行ったとき、気分が悪くなり倒れこんでしまったようです。

スーパーの方々が対応して下さり、落ち着いてから帰宅したと夕方妹から電話がありました。ただの熱中症だと思うから気にしないでゆっくり休むよう伝えてその日は終わり。

しかし、その後家から出ると気分が悪くなりめまいがするように。産婦人科で相談して血液検査をしても問題なかったのですが、家を出ようとするとこの状態になることが多くなり一人で外にでることができなくなっていったのです。

この状態を見ていた私と母は、どうなっているのかさっぱりわからず、パニック障害という言葉など浮かぶはずもありませんでした。

この熱中症が引き金となったことを、だいぶあとになって知ることになります。

 

・体調の悪い日が続く

どういうわけかわからず、体調が悪いということが多くなりました。

元々、つわりもひどかったので私か母のどちらかは妹の家に行くことに。義弟が仕事から帰ってくるまで一人ではいられません。私も母も、仕事をセーブし休みをずらして交代で家に行き看護をしている状態。家族なので最初はよかったのですがどんどん疲労も不満も溜まっていきます。

本人が一番辛いのだからと自分に言い聞かせて通い続けました。

顔色がいつも違ったので、調子がいい日もあれば最悪な日も。こちらまで暗くならないようにしなければと明るく振舞うよう心掛けたのです。

出産してからは育児に専念していたので、体調のことは忘れていたようでした。ただ、出産して2か月ほど経たないうちに育児ストレスなども影響しめまいがさらにひどいことになっていくのです。

思えば熱中症で倒れてからずっと妹の世話をしてきたように感じます。

・生活さえも困難

めまいがひどくなったので、毎日寝込んでいました。相変わらず、私と母の付き添いはなくなりません。外にも出られず、家にいることばかりになり、ごはんも食べることさえできなくなりました。ゼリーなどは食べられたので毎日買っていってなんとか口に入れさせましたが、手汗と息苦しさも増えてきて、手の震えと動悸が起きそうな心臓、みるみる動けなくなり寝たきり状態です。トイレも行けず、お風呂も入れません。

そんな中、甥っ子は生まれたばかりなので、妹の世話に加え甥っ子の面倒もみることに。

妹の体に何がおきているのか不明で精神的なものだとは感じていましたが、はっきりとはわかりませんでした。なぜ妹がこんなことになっているのかと色んなものを恨みましたが、見ていて辛く私と母は泣きたくなりました。

見るに見かねて、妹は行くのを嫌がっていましたが一度総合病院につれていくことにしたのです。

 

・病院受診そのまま入院

病院を受診し、全ての検査をしました。

精神的だとは思っていましたが、妹本人は認めたくない一心で体の不調を訴えます。

心臓が心配、脳は大丈夫なのかとさまざまな体の検査をしました。

検査にはとても時間がかかりましたが、心配していることは全てクリアにしようと全部検査したのです。

待っている間はとても長く感じました。もう私たちの手には負えない状態まできていたし、先も見えずこちらが疲れて不安になってしまったのです。

結果、どの検査にも異常は見られませんでしたが起き上がれずあまり食べてもいないので点滴を受けていました。

このまま帰すと大変だろうと、その日そのまま入院することに。

とにかく病院にいることに私は安心したのです。

なにかあったら怖かった、病院でおきても先生方がいるので安心だったからです。

 

・パニック障害と診断されて

入院中、精神科を受診しました。そこで初めて「パニック障害」と診断されたのです。

その病名はよく聞くものだったので、なんとなくはわかっていたつもりでしたがまさか妹がなるとは思ってもみなかったし、こんなにひどい症状になることを始めて知りました。

妹もうすうすわかっていたようでしたが、精神的な病気になっていることが嫌でその現実をみるのが怖かったから病院に行かなかったのだそう。

しかも、早めに行けば短い期間で治っていたと先生に言われものすごく大きなショックを受けていました。なぜもっと早く病院に行かなかったのかと自分を責めたのです。

精神科に偏見を持っていたとあとになって話してくれました。

私たちはずっと病院に行くよう勧めていましたが動けなくなるという状態になるまで連れていけなかったことを後悔しました。

看ている家族が気づいてあげる方が早く治る道に進めます。

認めたくなかった妹もこの病名を認めてここから家族みんなで戦っていくことになるのですが、このときはこんなに大変なことだったとはまだ知らなかったのです。

 

診断される前から症状は出ていました。本人は認めたくないのは当然です。けれど、一緒にいる家族が気づいて治療の道に早く進むことの方が辛さを軽減することができます。

病名がわかってからは妹への対応もしやすくなりました。

看病している家族も少しでも楽になれるよう対処方法を学んでおくといいと思います。

 

体験談②では診断後の病院選び、通院や薬を服用している妹がどんな状態だったのか、私たち家族はどんな状態だったのかをお話します。